ボリビアの小さい人々と共に生きて

野原昭子さんの

「聖マルティンの家」への思いをつづられた

メッセージをご紹介します。

「聖マルティンの家」のできるまで

 たくさんの皆様から「ボリビア・聖マルティンの家」に温かいご支援をいただき 感謝の思いでいっぱいです。

 

 ここまで導かれた道のりを振り返ってみると、私は修道会の修道女として24年間の生活を送りました。

 

その間ペルーには6年間、ボリビアには3年間派遣されましたが、

お年寄りや病気の人、障害のある人を見ると何故か世話をせずにはいられなくなる自分に気づき、

祈りの中でもう一度自分を見直し、神様から与えられた召命を再び問い直してみるなかで、

5歳で亡くなった妹の事を思い出しました。

 

重い障害を持ち、泣くことしか出来なかった妹に、

私は優しく面倒を見ることができなかったとの悔いがあることに気づきました。

 

 その後 私は、修道会を出てボリビアでの生活を一人で始めたのです。

 

 苦しんでいる人々の中に入らなければという思いで彼らの中に入り働きました。仕事の合間には、障害者のところを回り、傷の消毒や世話をしました。消毒と言っても蜂蜜が消毒薬で、ガーゼは古着を切ったものです。

 

 そのうちに障害を持った人達が私のところに来るようになり、又、大きな家を無料で貸して下さる方が現れ、私たちの施設作りが始まりました。

 

 まとまった資金を得ようと日本に出稼ぎに帰って来たものの、なかなか良い仕事が見つかりませんでしたが、ある方の紹介で働きに行った会社の社長さんから 100万円の寄付をいただき、そのおかげで私達の家を始めることができたのです。

 

 1999年、南米の聖人である「聖マルティン」の保護を願って障害者自立支援施設「聖マルティンの家」は始まりました。

 

 現在、様々な障害を持つ、施設に住む25名と、野や山を越えて通ってくるメンバーが家族です。

 

 今この国では、障害児は捨てられるケースが増えているので、私達の家にいる子供たちの三分の一は孤児なのです。

障害を持つ人は働くことができないので、生きるために物乞いをするしかないのが現実です。

今は、自立するために絵を描き、カードを作り、布を織り、編み物をすることを覚えてもらい 自立の道を探っています。

 

 2006年、無料でお借りしていた大きな家を立ち退くこととなり、

現在は、大所帯には少し手狭な家ですが、家賃を払いながら施設を続けています。

 

 しかし、今一番必要としているのは、治療・訓練・作業ができる部屋のある建物です。

 

 2005年に施設建設のために取得した土地は、建築段階になって、近くに下水処理設備ができることとなり、土地汚染の問題から建設できなくなってしまいました。

 

 しかし、ここであきらめるわけにはゆきません。願い続け、求め続け、探し続けるしかありません。

 

 皆様の支援に感謝し、神様の導きを信じ、助け合い支えあって活動を続けております。

 

 どうぞ これからもご支援のほど よろしく申し上げます。

 私達のために どうぞお祈り下さい。

 

野原 昭子