2013年11月 の 現地報告! です

1.死者の日

112日は死者の日。

カトリック国ならではで、この日の教会のミサでは、

ミサの意向を伝えるときに読み上げられた名前は・・・・軽く50人(50家族?)

は超えていて、何の気なしに普通にミサに参加した私は、

そのあまりにも長~い意向の伝達のときに「あ、A4用紙あと2枚半か、あと1枚!」と

不届きなことを考えていたのでした。

っと個人的なことを書いてしまいましたが、

死者の日の迎え方がとても盛大で失った家族への弔いの行為が厚いように感じました。

この2日当日だけでなく前日の1日からことは始まります。

1日の昼から2日の昼にかけて死者が戻ってくるということで、

日本のお盆みたいですよね。

で、1日には黒い旗が掲げられた(通常亡くなって1年目の死者をもつ家)家を訪ね歩いて、

相手が知り合いでも全く知らなくてもその死者のために祈り、

その家族はもてなしとしてパンやクッキーを訪ねた人たち全員にふるまうのです。

 

私たちも今年は31日にパンを作って、祭壇を準備して、

CAPEDISの家にいたすでに亡くなった子供たちのためにお祈りしました。

 

またうちの番犬(たぶん・・・)エスミチャがお子を産みまして、

そのうちの1匹が骨をのどにつまらせて死んだ(私の手の中で・・・)のですが、

庭にお墓をつくりましたところ、姉妹犬たちがわかるのか墓の周りで遊び、眠っていました。

彼らにとっても死者の日だったのでしょうかね。


2.お店アンチャ・スーマの注文

9月だったか、アンチャに大きな注文がありました。

用紙の生産会社から社の記念日に合わせて自社の紙を使用した作品をということでした。

そこで昭子さんとお店のスタッフがアイディアをだして、

ビッグサイズの「まり(天井からつるすもの)」や「人形」や、

「テーブルに飾るお花」、「紙袋」などを納品しました。

注文してくださった方は大変喜んでおられて、大型注文だけでなく、

作品を喜んでいただいて2重の満足感でした。

この作品群を納品日に間に合わせるためにお店の職員は休日出勤し、

(日本では当然の行為ですがボリビアだとかなり珍しい光景でした。笑。)

前々日からは本物の生け花の先生や日本人のかたたち、

理事の庄司さんまで「ちょっと寄った」人を捕まえて手伝っていただき、

ギリギリ間に合って納品しました。

持ち込んだそばから会場に設置していくという日本だとクレームですが、ここだと特に何も。

むしろ時間に間に合ったことで評価されたのではないだろうかと思います。

お店で働く人たちの写真は普段あまり撮ることができないので貴重ですね。


3.聖マルティンの日

毎月3日に祝っていますが、11月は記念日。

毎年CAPEDISでミサをしてフィエスタ風にしていましたが(ここ2年は)

今回は日曜日ということもあって、子供たちと一緒にミサに行って、

どっかおでかけでもしようかという話になりました。

神父様は昨年まで理事をしてくださっていましたし、

いつもこどもたちのことを心にかけてくださっています。

お説教では聖マルティンさんがどんな人だったのかを話して、

私たちが教会の一部であることをそこにいたみんなが感じるような語りかけをしてくれました。

ミサが終わると私たちのために準備してくれたお茶会

(神父様と青年たちのサプライズ)によばれ、おいしいく豊かな交流の時を持ちました。


4.農場

毎週火曜日は農場へのお出かけの日。

大きな子たちは農作業の日。

この日はリンゴや桃に袋掛けする作業。

間引きしながら袋掛け。

ひとりは袋を渡す役、一人は間引きした果実を集める役、一人は・・・眺める役。

できることをやりながらの作業でした。

小さな子たちは動物を肌で感じで驚いたり、怯えたり、

喜んだりして「生きてる!」を感じていたのではないでしょうか。

この瞬間の表情はとっても輝いていて、

私自身が失った何かを感じるとともに元気をもらうのでした。


5.交流会

今月は通所のこどもたちの家族との交流を目的にみんなでおでかけしました。

 

プールのある公園で初めにゲームをして、サッカーで遊んで、

プールで泳いで盛りだくさんでした。

参加できた親御さんは少し少なかったのですが、

こんな機会にお互いにお互いのこどもたちへの関わり方が見えるし、

じっくりと話すこともできるのです。

 

ゲームでは罰ゲームもあって歌を独唱したり、踊ったり、

腕立て伏せしたり・・・恥ずかしかった。けどこどもたちは喜んでいましたね。

 

別の話ですが、みんな「プール、プール」と子供も大人もはしゃいでいたのに、

実際は泳げるひとが少ないんです。

海がないし、学校のカリキュラムに水泳はないし、

「プール」といえば私は「泳ぐ」と浮かぶけれど、

こちらの人には「浸かる」が浮かぶのだろうと思います。

水かけ遊びやボール遊びは共通ですから楽しく過ごしたわけですが。

 

特にシエロは水が大好きでバッシャバッシャとやってました。

とってもかわいかった!

ホセは水が怖くて(毎週の理学療法で大分慣れても)入りたいけれど

梯子を降りることができなくて、3人の職員に下で支えてもらいながらやっと入れたのでした。


6.できたよ

写真は1枚だけですが、紹介します。

彼女は以前紹介した(と思います・・)カローラの妹、セレステ。

姉妹で重度の自閉症。

この日初めてスプーンを使って一人で食事をしました。

姉カローラもヘレン・ケラーみたいスプーンを握らせるところから始まったのですが、

セレステも同様で、少しずつ自分で食べることを練習していました。

そしてやっとこの日!!

お母さんのご苦労を思うと頭が下がります。

同時に彼女の強さに惹きつけられる。

お母さんはいつも私たち職員に

「彼女たちに教育をしてくれて、随分と成長がみれて感謝している」と言っています。

私たちは学んできたことを使ってこどもたちの成長を助けることが仕事ですし、

家庭で家族とだけ接して過ごすよりも、

他の同世代のこどもたちと活動する中で変化が見られることは当然なのです。

それよりも私はこの2人の重度の自閉症の子供(18歳、7歳)と、

他に3人(14歳、2歳、0歳)という5人のこどもをもつこの母親が、

多くの心配事と困難を抱えて生活に息切れしながら、それでもなお、

こどもたちに愛情を持って接したいという態度に、感服し、

学ぶべきは私たち職員であると思うのです。

母である強さもあると思うのですが、

子を産むだけでは母親といえず、育ててこその強さですし、

彼女の場合は大きな困難を抱えてもなおこどもを守り、育てる強さなのです。

8人の産みの親のいない子供たちを抱えるこの家だからこそ、

セレステとカローラの母親の強さが眩しく映ります。