2016年4月 の 現地報告! です

【アルフレッド1年忌】

彼が亡くなってから、もう1年経ちました。

ボリビアがそうさせるのか、CAPEDISがそうさせるのか、私は1年中彼の事を思い出して過ごしました。

悲しくて、というのではなく、確実に天国に直行した彼だから、

100%神様のもとでCAPEDISで関わった人たちや昭子さんのために駆けずり回って働いているだろうと考えて、

いつでも「困ったときのアルフレッド頼み」をしていたからです。

例えば畑にシエロたちと一緒に行くのになかなか車がない「アルフレッド~、車をよこしておくれぇ!!」で、くる。

という具合に1年中彼と会話するみたいに過ごしたのです。いつも私たちといるみたいに感じています。そう、今も。

みんなの心に優しく留まる彼だから1年忌ミサのあとにお墓にいったら、

彼の写真が埋まるくらいのたくさんのお花が供えられていた。

これは私たち以外にも彼を忘れずに訪れた人たちがいた、ということ。さすがです、アルフレッド。


【エレナ訪問】毎週1回の訪問になったエレナ。週1回の入浴とリハビリ。週1回の入浴に驚くことなかれ。

ボリビアでは田舎や貧しい地区へ行くと案外とみんながそんな感じである。

エレナの母親と娘も週1回か場合によっては2週間に1回とかもあるのかもしれない。

乾燥しているからベタベタしないし、臭いもあまり他者に伝わらないから?でも一番の理由は水がない現実。

彼女の住む家には水道がない。ドラム缶に水を保管してそこから料理、洗濯、入浴に使う。

週1回土曜日に給水車がやってきて貯めるのだ。何も彼女の家だけではなく、その地区の人たちは大半がそうしている。

お金があれば個人で水道管をひいて水道を設置することができるのかもしれないけれど、

工事費を考えると水道のある場所へ引っ越す方が簡単だ。週1回の訪問のときにはCAPEDISから入浴用の水を持ち込む。

時間がないのでガスで少しの熱湯を準備してもらうのだが、田舎も街中も関係なく入浴の時の節約の知恵がある。

ペットボトルに水をいれて朝から陽に当てる。こちらの強い太陽熱で午後には温かいお湯で入浴ができる。

ま、こちらの人たちは私からしたら、

「え?これは水といってよい温度ですけれども…」と感じるほどの低い温度のお湯…水…で入浴するようですがね。

習慣なので、体が頑強なのですねぇ。

いや、風邪ひきよるから、そうじゃないのに特に水に近いお湯での入浴を止めないのね…とまぁ、

ボリビアらしい入浴習慣を一度つぶやきたかったのです。

ちなみにCAPEDISは水がある場所にあるので、その点で困ることはありません。むしろ、快適です。

水圧も強く不満も感じません。水っていつもそこにあるとあまり重要性を感じないものですが、

一度水不足に苦しむ経験を持つと大きく意識が変わるもの。与えられ、満たされていることに感謝。

あ、写真は家庭訪問時の様子。女の子は娘。このポーズは“しぇ~”。教えたのは日本人のボランティアさん。

う~ん…教えることが時代性を感じる…6歳のかわいい女の子が“しぇ~”ですからね…。


【大ニュース!!!】

大ニュースなのに、3番目の記事ですみません…。 そして写真もありません。。。

我が家のおてんば娘ロサリアが17歩一人で歩きました! これはすごいことです!

彼女は昨年15歳になり、こちらでいう“成人”を迎えたわけですが、ずっと車いすの生活でした。

昭子さん、そして私も彼女は歩ける可能性がある、と考えていて、

そうできるような処遇を理学療法士はじめ職員全員に伝えてきました。

ただ、可能性はあっても実現するには1対1の対応が必要であるし、

しかも対応する人間に絶対的に“ロサリアは歩ける”という情熱といいますか、見通しといいますか、

モチベーションを維持する力といいますか、そういったものが必要で、それができる人が誰もいなかったのです。

情熱がある人間は1対1で対応できる時間がない。時間がある人間は情熱や見通しがない。

でも、2015年6月から1年間ボランティアに来てくれている平塚裕二さんが、それをやってくれました!

もうこれはまさにロサリアのために神様が贈ってくださった人だとしか思えません。

彼は日本で障がい者施設で介護者として働いた経験があり、歩行訓練中の支え方、

次の1歩をどう設定するかの方向性が安心してみていられる。

(偉そうな書き方ですが、専門を知っているので、危険性をはらんでおらず驚くような突飛なことをしないので安心だ、ということを言いたい。)

れでいて、一番大切な介助相手への姿勢がすばらしい。私もとっても考えさせられました。

いわゆる“心がとても優しい人”なのです。

ただ優しいだけでは日本の社会では実践が困難なことも多いのですが、ボリビアではやっていけるのです。

例えばおでかけが困難な人に買い物を頼まれる。気軽に応える。これができなかったりする。

「職員と利用者」の関係。そこには「ともだち」や「家族」の感覚が薄い。

施設側の事情もよく理解できる。施設運営を保っていくための利用者さんとのラインは必要なのだ。そこでジレンマ。

そのあとは無難にこなす仕事が待っている。

ところがボリビアではというより、ここマルティンさんの家では昭子さんが上司ですからね、

こどもたちにプラスなことは、よっぽど命にかかわらない限りは許され、自由に働ける。

“ちょっと試してみたいこと”ができる。働く意欲が湧く。働くことに喜びが生まれる。そんな感じ。

ロサリアが一人で歩き始めるまでにたくさんの人が関わったし、もちろん理学療法士の日々の取り組みも大きい。

他の職員たちも関わる中で彼女の成長を支えてきた。

そこに一日中彼女に接し、辛抱強く歩くことを意識させていった裕二さんが現れた。これが、奇跡だと私は思う。

神様が“丁度の時に丁度の人を与えてくださった”と素直に思える。感謝、、、感謝、、、感謝 !!!

今は歩き始めたロサリアのその意気込みをつぶさないように裕二さんから他の職員に移行中。

5月からは裕二さんも旅の準備に入ります。彼が芽生えさせてくれたものを私たちは伸ばしていきたい。

ロサリア、前へ、前へ!


写真左:楽しい感じ、伝わりますよね?

写真左から2番目:一人で水で遊びまくるシエロ

写真右から2番目:風邪をひくってわかてたけど・・・水のアーチをくぐって

写真右:ホスエ、全身で楽しい!

 

【風邪ひくって、知っていたけれど…】

4月12日はボリビアではこどもの日。学校でもどこでもこどものためのイベント満載。

今年はCAPEDISでは2015年にできて、一度は子供たちをつれて行きたかった光と水の公園に。夜が最大の見せ場。水

の動きに光をあててまるで音楽にあわせて水が踊っているように見える。

さまざまな水の形、線がさまざまな色に彩られて面白い。

さて、この日私たちは光と水の演技が行われる20時半までにはと、

時間のある17時半にCAPEDISを出発し、18時には公園にいました。

まだ明るいけれど陽が落ちていくとき。

色はまだ見えないし、ないけれどいろんな噴水があって子供たちはすぐに反応。もう遊びたいばかり。

で、着替えを持ってきていない。「これは風邪をひく」と確かに思っていたけれど、

他のこどもたちが遊んでいるのを傍で見てとっても羨ましそうにしている子供たちをみていたら、

遊ばせたくなってGoサインを出した。ホセは水が怖いからそんなに楽しそうにはしていなかったけれど、

ホスエ、ロスメリー、ロサリア、ロサリオ、特にシエロは最高潮に達するほどに喜びまくり。

あんな笑顔や全身で“楽しい!”を表す彼らを見て、私も楽しくなる。

ふふ…ところが、落ちがあって、楽しく遊んだのはいいけれど、

予想通り陽が沈んだらとっても寒々しく震えるシエロとロスメリー。

他の子たちはあんまり濡れなかったからよかったけれど、最終的にはローナルまで水浸し、

お目当ての20時半からの水の演技を待つことができず、帰ってきたのでした。ちゃんちゃん。

次回は着替えを持っていこう。うん。


【ボリビアの障がい者の、今】

昭子さんは4月21日、日本から戻ってくるやいなや、

その週末にはマルガリータとアレクサンドラ、ボランティアの裕治さんと一緒にラパスに向かいました。

それは昨年から続く、障がい者のストに参加するためでした。

日曜日夜にコチャバンバを出発して明け方ラパスのエル・アルトに着きました。

そこには各県から大勢の障がい者が来ていました。ストライキに参加するため、

あるものはバスで、あるものは歩いて。

このデモ行進はコチャバンバから始まって、ラパスまで35日間続いたもので、そのデモに4人は途中参加した形です。

2日間歩き続けて、ラパスの県庁まで行きました。

夜は大学が開放していた体育館で寝て、食事は昼も夜もとらず、歩き続けたのです。

昭子さんたちは3日間のみだったわけですが、日焼けして疲労して帰ってきました。

それを35日間続けている人たちは、想像を絶する闘いです。このデモの詳細は別紙で写真と一緒に送ります。