2015年6月 の 現地報告! です

【ナンシーのこと(写真はありません)】

CAPEDISの理事の一人であるナンシーが6月に入って入所しました。

4月に会ったときには元気そうに見えていたし、いつもと変わらないやり取りをしていたのですが、

その後ガンが見つかってかなり進行していたようで、

リンパの手術後最後の時をCAPEDISで過ごすことになっていました。

彼女は独身で男兄弟はいるのですが、病気が悪化すれば医療的な面だけでなく、

下の世話も含めた身の回りの世話を頼むのも遠慮があったのでしょう。

それで長い付き合いの昭子さんに入所をお願いしたのです。

6月1週目に入所されて、痛みで夜もあまり眠れず、食事も少量で、

それでも調子が良い時に少しANCHAの仕事をして過ごしていました。

2週間ほど経って腸の検査のため通院し、その時に腸が破れてしまい、そのまま亡くなりました。

アルフレッドの時もそうでしたが、「死」は突然やってきます。

長くないことは知っていても、それがこんなに早く訪れることを予想できていなくて驚きました。

ご冥福をお祈りください。


【6月23日 聖ヨハネの日】

この日の前夜にボリビアではホットドックを食べるそうです。何故かは知らない。

誰も知らずにその習慣を続けている…

ここ10年くらいの習慣のようで、想像するに日本のバレンタイン戦略と似たり寄ったりかと。

メインはたき火をして体を温めて、みんなが集まって温めあうってところなのでしょう。

とはいえ数年前からたき火禁止条例がでまして、田舎の方だとチェックする警察もいないし、

こっそりたき火をしにみんなして農場に泊まり込み。

2.3日の宿泊で一日中農場を満喫しました。

ホスエはみかんの収穫(といっても1個だけでしたが…)この表情!いいですよね、微笑ましい。

動物と触れ合ったり、いつもと違うリハビリ訓練したり、

背の高いゆうじさんに肩車してもらってはしゃいでました。

石段の上に一人で座っていますが、この姿勢は日ごろのリハビリの成果なんです。

腕、腰、背中に筋力がついてきたのです。

それからロサリアとロサリオを豚小屋へつれていくと、二人とも最初はこわごわでしたが、

次第に興味を示して触っていました。うれしそうでしょう?

前に同じことをしたときはロサリアは豚をバシーンと叩いていたし、

ロサリオは近づくことを嫌がって必死で逃げていました。

やっぱり成長したんだぁ。(機嫌がよかっただけ?)

それから夜のホットドッグは寒くたってみんな楽しそうにアムアムと食べてますね~。

いい気晴らしになったと思います。

しかし後日談がありまして、

ホスエはこの夜6本もソーセージを食べて翌日「お腹が痛い~」と唸っておりました(笑)

こんなことも経験のひとつですよね。

ともすれば守られ過ぎる施設のこどもたち。

欲に任せて食べ過ぎるとどんなことになるのか、のいい勉強になったかな?

(ま、私たち支援する側の勉強にもなりましたが…)


【ロサリアの歩行訓練】

さて、先月日本からのボランティアさんたちをご紹介しましたが、

毎週1回来てくれているけいたさんのアドバイスのもと、

ロサリアの担当をしてくれているゆうじさんがスロープを使っての歩行訓練を始めてくれました。

ロサリアは歩けるようになるんじゃないかと、

昭子さんも私も彼女の可能性を大いに信じているわけなのですが、

そのためには1対1の対応が必要であるため、なかなか実現していなかった歩行訓練。

朝食後に歩行補助具での訓練のあと、マットの上で麻痺側の足を中心にマッサージ。

トイレとおやつは歩いてトイレまで、歩いて椅子までを毎日繰り返す。

「自分だけのゆうじさん」にかなり甘えて、わがまましまくった後には次第に関係が培われてきて

仲良し親子みたいになってます。

ゆうじさんの誠意ある真剣なまなざしにロサリアも応えているでしょう。

会話はこんな感じ。

「ロサリア、あかんやん靴なげたら~(大阪弁)」

「パパパーパパ(ロサリア語)」

「ロサリア靴下ひとりで履けるやん!ってなんで右足に2足重ねるん?

 で、左は履かんのかい!あんた大阪の笑いわかっとるな。」

「パパパーパパ」

ゆうじさんがいつも日本語で彼女に話しかけているのを聴いている職員たちは、

「ロサリアはもう日本語を理解しているに違いない」と話しているところです。


【ローナルの電動車イス】

ローナルのために注文していた電動車イスが届きました!

写真はきちんと機能するか試乗しているところです。

以前購入したものは試し乗りでスロープを1回登って降りたらもうバッテリーが切れてしまい、

電に8時間かそのくらいかかったあと再度乗ったらシュ~ンと切れて二度と動かなくなったのです。

しかも超スローで安全といえばそうですが、イライラするほどでした。

バッテリーは取り替え不可で、

ほんのひと乗りで家の中をひとりで移動するという夢は儚く消えてしまいました。

あれから3年、今度のものはビューンと動き、早さも調節できるし、

フルに使って16キロ分バッテリーが持ちます。見た目もかっこいいので本人も喜んでいます。

いつも人に頼んで移動していたため、時によっては長いことまったり、相

手の状況(忙しく動き回っていないときを狙う)をみたりと小さな苦労を続けてきた彼です。

この電動車いすは彼にとっては大きな変化をもたらしたことと思います。

ま、部屋へ入るのにドアの開け閉めやベッドからの移乗、排泄などやはり助けがないとできないので、

今まで同様に助けを求める必要はいつもあるのですが、自由に動ける時間は断然増えました。

みなさん、ありがとうございます!


【エレウテリオ】

7月報告になりますが、2日はエレウテリオの誕生日でした。

いつもうつぶせの姿勢を保つために食堂で食事をしない彼ですが、この日は車いすに座って主人公。

誰とでも冗談を言い合う、といった性質ではないのである人は

「初めて笑ってるとこをみたよ」と冗談めかして言っていました。

それほどにこの日の彼には笑顔が見られ、周囲の人間から祝われる、

注目されるということが嬉しかったのだろうと思います。

彼の忍耐と信仰のおかげで、大きく開いていた褥瘡はあと少しで治りそうです。

そのあとには本格的にリハビリ開始。

ケーキに立てられたローソクの炎を吹き消すとき、彼は何を願ったでしょうかね。

歩けるようになってほしい。そして家族との生活を取り戻してほしい。

お祈りしてください。