2015年10月 の 現地報告! です

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マルシアルの誕生日】

11月2日は死者の日、ですが実はこの日はマルシアルのお誕生日。19歳になりました。

タリハ県から褥瘡治療のために1月にやってきた彼。

最初は人見知りで誰とも関わっていなかった彼ですが、もうすっかりこの家族の一員になりました。

この日はご馳走を食べて、ケーキを食べて、褥瘡の悪化を防ぐために車いすにはできるだけ乗らないようにしている彼ですが、

特別な日ですし本人の希望を受け入れて映画をみにおでかけしました。

若者らしく、ピアスやサングラスを買うのだと見て回りましたが、何せ国民の休日。お店が締まっておりました。

ほしいものはもちろん自分のお金で買いますし、

そのお金はボランティアの女の子に教えてもらったマクラメ編みの腕飾りや首飾りを売って稼いだもの。

そんな彼は11月28日に褥瘡が治りきらないままに自宅に戻りました。

若いのであっというまに皮膚が形成されたかと思うと、

若いのでベッドの上でじっとしておれず傷が大きく開くというのを繰り返していました。

長期にわたっておりましたし、本人の家族のもとに戻りたいという要望もあって褥瘡治療の方法を母親に教え、

本人も自分で意識して生活していくということで帰っていきました。

先に記したように彼はすっかりこの家族の一員になっていたので、みんな別れの日はさみしい思いでした。

ホスエにとっては遊んでくれるお兄ちゃんが、ローナルにとっては理解しあえる友だちとの別れだったと思うのです。

それでも今はメールでのやり取りもできるし、他のここを去って行った人たちと同様祈りや思いでつながるのだと思います。

自分自身の将来を見つめて、しっかり歩き出してほしい。君ならやれる、マルシアル!


聖マルティンの日】

11月3日は私たちの家の守護の聖人マルティンさんの祝日です。

毎年理事の方や普段お世話になっている方々を招いてお祝いするのですが、

今年はみんなで公園におでかけして羽を伸ばそう!ということになり、計画しておりました。

と・こ・ろ・が!当時は生憎の雨。おでかけできなくなり、いつものようにCAPEDISで過ごすことになりました。

午前中はミサの会場準備のあとみんなでビデオを見ようという話になり、

マルティンさんのビデオが見つからなかったので、マリア・ルースお勧めのビデオを見ました。

そのビデオは全身麻痺の大金持ちのおじいさん(雇い主だけど患者)と、

2人のこどもをもつ黒人の男性とのお話(介助者)で、

おじいさんは偉そうだけど、助けがなければ何もできなくて、

黒人さんは介助の経験がなくて高齢であり、病人である彼に対して健康な人と大差ない態度で接して、

たとえば食事を持っていくけれども机にそれを置いたまま、

(手の動かない)本人がスプーンをもって食べだすのを待ってみたり、高級車を乱暴に運転して血圧をあげ、

具合が悪くなったところに落ち着かせようと煙草を勧めてみたり…

そんな映画だったので、みんな介助されている人たちも介助している人たちも釘付けになってみていました。

聖マルティンさんからのプレゼントだったのでしょう。

しかし、それでは納得せず翌日は晴れ上がったので、予定していた公園にでかけました。

広々とした場所で寝っ転がったり、魚の水槽を見て回ったり、水遊びしたりとおもいっきり楽しみました。

楽しめたのはよかったけれど、これでまたマルシアルは傷が悪化したのでした…褥瘡治療って難しいわぁ。

完治を目指して取り組むけれど、彼はまた今の時を生きているのですから。

心を鬼!にしないとだめなのかなぁ…

(上段左)みんなでビデオに見入っています

(上段中左)エレウテリオ(手前)とエレナ(右奥)

(上段中)マリア・ルースとカルメン

(上段右)ロサリオとベティ

(下段左)ロサリア

(下段中左)マベル、ホスエ、ホセ、ヨランダ

(下段中右)マルシアルとゆうじさん

(下段右)シエロと心理士エルナンさん


【ご寄付】

コチャバンバにある私立の学校の生徒さんたちが訪れてくれました。

生活に必要な物品(小麦粉や砂糖、粉ミルクなど)をたくさんご寄附いただきました。

それから、CAPEDISの庭の掃除やこどもたちと遊んだり、個人的に話したりとよく関わってくれました。

中には初めて関わる生徒さんたちもいて、怖いのか遠目でみていて、

それでも友達に呼ばれておずおずと輪に入っていました。

ご寄附そのものもとてもありがたいのですが、こんな風にお互いに知り合っていくことが、

その機会を設けてくれたことがうれしいな、と思います。感謝。


【とある日の畑にて】

毎週水曜日には畑にみんなででかけて仕事をしたり、散歩をしたりするのですが、

この日は仕事があってみんなで草を運んだり、レンガを所定の位置にもっていったり、

ごろごろ転がっている石を石置き場に持っていきました。

こちらはもう夏で蒸し暑くなっているのですが、汗をだらだら流しながらの作業でした。

こんな真面目な顔で、しかも写真を撮られることも面倒くさがるくらい集中しているシエロは珍しく、

いつもの風景だけど報告してみたくなりました。

ホセの変顔やエレナの石の投げっぷり、

ロサリアとロサリオの働く(これ、働いているんです!)姿もみせたかったので。

この日、シエロは様子が変で、仕事が終わったら泣き出して、鼻水もよだれもたらしながら泣き続けておりました。

本人からしたら「畑に残りたかったのに!」号泣。

でしょうが、我々は「生理前だな。」で終わりました(笑)

帰りの車の中ではホセ一人が必死に慰めておりました。

いつもは喧嘩ばかりしているのに、ホセはやさしいな。

(上段左)マベルとううじさん

上段中左)シエロ。真剣な顔。カメラに反応しない彼女は珍しい

(上段中右)ロサリオ。彼女が草を袋に入れて・・・

(上段右)ロサリア。彼女が草捨て場まで運ぶ。二人でひとつ。

(下段左)マリア・ルースと昭子さん

下段中左)エレナ。石を膝の上にセットして、石置き場まで彼女を運ぶ。

ひとつずつ捨てるのは彼女。腕を使ってリハビリにもなる。


【チャリティコンサート】

11月29日の日曜日にCAPEDISでチャリティーコンサート~リハーサルバージョン~を開催しました。

実はこの企画はJICAのシニアボランティアの方の熱意により、実施に至りました。

ご自身が配属されている役所にお願いして会場を無料で貸していただいたり、

知り合いの演奏家に声をかけてくださったりして、少しでもCAPEDISに収益があるようにと動いてくださったのです。

最初に発起人グループに入ってほしいと言われたのは私で、

それからというもの演奏家探し、依頼、企画の検討などなど打ち合わせを重ね、

途中で「やっぱり無理なのじゃ…」と弱音を吐く私に、

「たとえ少人数でも来てくれる人がいたらやりましょう。マイナスにはならないのですから」

と励まし励ましこの日を迎えました。

フォルクローレのグループ2つとギターとのコラボバイオリン、三線、ケーナ、サンポーニャ、

うちのローナルと何とかまとまりました。

それぞれに練習を重ねてくれておだやかないいコンサートでした。

当日は日本人のお客さんが多く、10名くらいはその方がつれて来てくれたのですが。

そして売り上げは…130BS。

えっ!? 「マイナスにはならない」といってもこれは少なすぎでしょう!

2月に本番のコンサートを控えているので、そこではもっと収入をあげるべく頑張るつもりです。

せっかくのご協力なのに、結果がでないのでは申し訳ありませんので。

とまぁ、私の奮闘記みたいになってしまって、すみません。

(上段左)マルティンさんもこの日はオシャレに。スペインの貴公子のよう・・

(下段中左)ローナルも歌う

(下段中右)ロースメリーはお客さんにゼリーを販売して、完売!