2015年 4月 の 現地報告! です

~ 新メンバー(女性:エレナ、男性:エレウテリオ) ~

大人の自立支援施設に移行している今、2人の新しい患者さんが増えました。

一人はエレナ(32歳)。こどもを出産するまでは何の障害もなく、元気に暮らしていた。

出産後寝たきりに。半身不随でてんかん発作がある。

こどもの面倒は老いた母親

(年齢は60歳くらいかもしれないが、ボリビアの田舎の人たちの老いは早い。小さく腰もまがっている。)が見、

現在こどもは5歳。母親の話から推測すると脳血栓や脳梗塞のように脳に何かが起こったと思われる。

そして倒れ、しかしながら病院での治療は行わず

(というより貧しくて治療費が払えないため、放置にいたったと思われる)5年が経過した。

コチャバンバの田舎に暮らしており、夫はおらず(おそらく逃げた)老いた母親だけが頼り。

母親が孫の面倒とエレナの世話に当たり、その地域のケースワーカー(一応いる)から頼まれ、受け入れを決めた。

もう一人はエレウテリオ(31歳)。

チャパレー県から病気の治療のためコチャバンバにきた。

家庭(妻と2人のこども)がある。

結核菌が脊髄に入り、下半身不随に。

治療のためコチャバンバの病院に入院し、結核はなおったが褥瘡が残る。

コチャバンバに来て3ヵ月以上たっているため、入院費も嵩み、お見舞いに来ていた妻とも連絡がとれなくなった。

結核にかかるくらいなので、貧しいのだろう。入院費を払いきれず、本人はおそらく捨て置かれた。

それで、昭子さんに話が回ってきた。

2人とももともとは多少の貧しさはあったにしても自分たちでしっかり暮らしていたのだ。

だが思いもよらず障害を背負うことになった。

そしてそのあとの彼らの心境を思うと心が痛む。まるで希望がないように感じてしまうからだ。

でもいつもCAPEDISで彼らと関わっていて経験的に感じるのは、そこから始まるのだ。希望が。

確かな神様の働きと言おうか。

で、ただ傍で聞いてるだけで落ち込みたくなるような状況に置かれていた彼らですが、

1ヵ月たったら明るい笑顔で(例え一瞬でも)話をするのだ。リハビリをするのだ。前に進もうとするのだ。

その姿に私もまた前に進む元気を与えられるのだ。


毎週水曜日はシエロとホセの農作業の日。

この日は2人だけじゃなくて、先日紹介したヨラやロサリアやロサリオ、ロースメリーも一緒に。

この3人は時々しか農場に来ないので、農場に住んでいるこどもたちと一緒に楽しそうに働いていました。

みどりに囲まれた落ち着いた場所なのでみんな力仕事で疲れてもリフレッシュ!できました。

シエロやホセは毎週来ているので、

もう慣れたもので最近ではホセがシエロを助けて重いウサギの糞がはいった袋を猫車に載せてあげたり、

猫車をでこぼこ道で持ち上げてあげたりとそんな微笑ましい光景も見られるようになりました。

自然は人間を育てますね。


~ ローナルのやったこと ~

見て下さい!

ローナルの大学にスロープができました。

学生の権利を盾にさんざん大学に要求した結果、スロープができました。

これで一人の助け手だけで教室にいけるのです。日本では当たり前ですよね。

でもボリビアでは要求されない限りは絶対にありえない。

だからたくさんの障がい者が苦労してきたのだと思います。

で、1ヵ月ぶりくらいに大学に行ってこのスロープをみながら考えた。このスロープはローナルが成したこと。

彼は彼自身のためにやったわけだけれど、彼が大学に通いたいと思わなければ、今もあそこにはスロープはない。

あとに続く人たちに大学へのひとつの小さなはいり易さを提供した。

普段何気なく生きている私たちですが、

「ただ生きる、それだけで知らない誰かの助けになっていく」

ことの具体的な現象を目の当たりにした気持ちになりました。


~ みんな新しい場所で元気です ~

どんどん新メンバーが増えているので、職員も増えました。

教育の人と心理士、看護助手。先月紹介したヨラもご飯をちゃんと食べるようになったし、

勉強や活動も張り切ってやってます。

先に紹介したエレナもエレウテリオも笑って話すようになりました。

みんなまとめて紹介。