2016年1月 の 現地報告! です。

家庭訪問(エレナ)】

昨年12月に自宅に戻った方たちの家を訪問しました。家庭訪問は理学療法士、看護士、心理士を中心に行います。

訪問先の都合、本人の状態、移動の車や職員の時間割などを踏まえて、2人か3人で訪問します。

訪問体制が整っているわけではなく、退所した方々のその後の様子をみながら介入の必要があるかどうか、

手を引く時期、家庭での必要な助けの判断、CAPEDISとしてできることを決定していくための訪問でもあります。

しかし、根底にあるのは友情ではないかと私は考えています。

こちらの感覚では神様に導かれてやってきた方、日本的な言い方をするとご縁があって関わった方ですから、

「あの人、どうしてるかな?会いに行ってみよう」という感覚です。

プロの仕事を意識しての訪問ではなく、Amistad(友情)として訪問というのが大きなポイントであることが、

この後4月に至るまでの訪問を継続する中でわかってきました。

12月に夏季休暇に入るタイミングで家庭に戻りました。

本人および家族には休暇が明けて、希望があるならばまたCAPEDISに戻るように伝えていましたが、

戻ってきませんでした。そこで、1月末に家庭訪問して、家庭での様子をみに行ったのです。

このときはまだ元気な方でしたが、

CAPEDISでリハビリして再構築されていたこと(ことば、筋力など)がほとんど失われて、

ベットで一日中を過ごす日々でした。

理学療法士、心理士ともにCAPEDISでの8ヵ月間はなんだったのだろう?と大変気落ちしてしまいました。

でもこのことは「助けとは何か」「リハビリとは何か」「生きるとはどういうことか」ということを

考えさせられることなりました。

写真は彼女の家。片付けられておらず、不衛生。CAPEDISから戻って1度も入浴していない状態。服薬もしていない。

職員の名前を思い出せないばかりか、ことばがでない。

でも6歳の娘は健気にも突然のお客さんをお菓子でもてなしてくれました。


【家庭訪問(ヨラ)】

ヨラは2015年4月に他の児童養護施設からやってきた女の子ですが、

CAPEDISにきて9月だったか突然親が訪ねてきて、引き取りたいと言ってきたのです。

そういって何度もこどもを放置するケースをみてきたため、事は慎重に進めなければなりません。

両親と心理士が何度も面談して、12月に家庭に帰って行きました。

そして、およそ1ヵ月ぶりに家庭訪問。ヨラの顔はすっかり変わっていて、その家の子になっていました。

私たちの名前は覚えていましたが、「なつかしい~!」という感じではなく、よそよそしかった…。

自宅では兄弟とアルファベットの練習やお母さんのお手伝いで洗濯をしたりして、落ち着いていました。

ヨラについては私たちも安心して、少しずつ距離をおいていけると考えています。


【新メンバー(女の子:グアダルーペ 男の子:マルセーロ)】

1月に新たな患者さんがやってきました。Ancha Sumajで働いているマルガリータのお姉さんのこどもたち。

お家はコチャバンバから離れた田舎にあるのですが、

5歳の女の子の火傷痕を切除する手術と10歳の男の子の足首の治療のための入所です。

お母さんと一緒なので、すごく怖がるということもなくすぐにCAPEDISのこどもたちに慣れてくれました。

すぐに手術かと思われたのですが、

尿に感染症がみられて結局2ヵ月間かかって感染症を手術ができる状態まで治しました。

長い間待っただけあって、手術は幸運に恵まれました。

アメリカ合衆国から来ていた医療チームに無料で施術をしてもらえたからです。

先進国の医師による診断は何と言っても安心できます。

そして3月に無事に帰っていきました。あとは週末に術後経過をみるだけです。


【ワークショップ(Ancha Sumaj)】

1月後半にJICAの方のご協力により、ワークショップを開催しました。

ボリビアで入手でき、低価格の材料で、簡単にできる売り物をつくる。綿に色をつけて、

形づけてからイヤリングやネックレスを作っていきます。

Ancha Sumajの職員や地区の障がい者グループにも声をかけて参加をうながしました。

2日間行い、30人ほど参加したでしょうか。

こんなイベントごとは大好きなボリビアの人たちですから、楽しんでやっておりました。

手先も器用でやれば何でもできる職員たちですが、このアイディアを広げていけるかどうか。

せっかくご協力いただいたので、ものにしたいものです。


【旅の準備】

12月から昭子さんとマリア・ルースの旅の準備は始まっていましたが、

一方で日本に持ち込む作品作りが間に合いません!

いつも作品のアイディアや指導をしてくださるバリ先生にお願いして

1月からはCAPEDISに通って作品作りに精を出していただきました。いかがでしょう、この絵の仕上がりは。

マリア・ルースだけではなくて、他の職員にもこの機会に教えていただきました。


【ボランティアさん最後の日】

昨年の8月ごろから週1回通ってリハビリのボランティアをしてくださっていた,

志村圭太さんが2月半ばの帰国のため、1月いっぱいでボランティアを終了しました。

的確なリハビリの技術と爽快な性格でみんなに関わってくれました。

私もこどもたちの骨や筋力、将来的な可能性などたくさんのことを質問して、

日本語で説明してもらえるのがとってもありがたかったです。

専門用語は正確な理解ができづらく、「こうなのかな?」という感じでしたから。本当にありがとうございました。