2015年 10月 の 現地報告!です

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新メンバー紹介(マベル・サビド 27歳)

10月に入って、マリア・ルースの絵の先生のつながりでマベルは我が家にやってきました。

5年ほど前に母親を事故で亡くし、

父親と一緒に暮らしていましたが父親の再婚とともに新しい家族が増え、その家族とうまくやっていけず、

父親の兄弟のところで生活するもやはりうまくいかず、CAPEDISに辿りつきました。

彼女は知的には軽度であり、身の回りのこともある程度できるのですが、

もともと精神障害をもっていたと思われ、

母親と一緒に過ごすことで大きな問題を抱えずに済んでいたのでしょう。

ところが、母親がいなくなったことで間を取り持つ人がいなくなり、

さらにはその事故を目の前でみて母親の血まみれの姿が頭に焼き付いてトラウマになっています。

そして年齢的にも異性への興味があり、本人の話によると暴力を受けたようです。

もともとの性質、知的障害、てんかん発作、トラウマと、

いくつかの要因が絡まって生活が困難極まるものになっていました。

ですから、今は心理士を中心にその絡まったものをひとつずつ丁寧に解いていく作業をしています。


(上段左)ボランティアのニコラス

(上段中左)ビルマ(左)マルガリータ(右)

(上段中右)コチャバンバ県はグアダルーペのマリア様の図

上段左)オルロ県はカルナバル

(下段左)タリハ県はワインの名所

アンチャ・スーマのお仕事

8月に製紙会社より受けた注文は会社の記念式典に合わせて、

ボリビアの9つの県をすべて自社の紙を使用して描くというものでした。

1枚の絵の大きさは縦1m横3mと大きく、

どうしたものかと頭を抱えながらビルマを中心に制作されました。

作業はCAPEDISで行われていたので、

その工程をみながら「よくそんなアイディアが湧くものだ」と感心していました。

ボランティアのニコラスも指示を受けながらペタペタとやって、

締切近くにはいつものように時間外も週末も集中して、

やっと当日に間に合わせたのでした。

9県すべてではありませんが、その作品群と作業風景の写真を送ります。


6カ月のミサ

10月9日は4月に亡くなったアルフレッドの6ヵ月のミサを捧げました。

こどもたちも悲しみにくれることなく、みんなすっかり、

アルフレッドがいつも私たちを守ってくれていることをわかっていますし、

神様のもとにいることを知っているので、明るい表情ですね。

この日はアルフレッドとの思い出を回想しつつおだやかに過ごしました。


(左)水入れすぎたり、売れない味を作ったり試行錯誤

(右)売る気なし!

 

ロースメリーの就労訓練、経過報告

9月の誕生日からあとお店に通ってゼリー売りをしているロースメリー。

はじめの2・3週間は本人も周囲もハラハラドキドキ頭もズキズキの毎日でしたが、

さすがに1ヵ月経つと出発前にお弁当を作って、落ち着いた様子で出かけ、

売り上げを報告する態度も板についてきました。

そこで、お店でどんな風に働いているのかお伝えしようと思い、

写真を撮ってきてもらいました。

しかし!!!

ゼリーづくりはまだしも、このゼリーの販売の仕方はどうなんだ!!!

階段に座ったままいかにものらりくらり…

こんな様子じゃ売れるわけない!

慣れたとはいえ、まだまだなロースメリーであった…


(上段左)ホセ(左)は仲良しのカルロス(中央)とあえて大喜び。

シエロ(右)も喜んでるのだけれど、

喜びの表現が叩くとかつねるとかなので、煙たがれる。

(上段中左)シエロは同年齢のお友達を作りたく、

紛れ込んで手を突然握ったりする。

でも知らない人に突然手を握られて敬遠している女の子たち。

あ~切なくも微笑ましい。

(上段右)マベル(左)とヨランダ(右)は踊るのが大好き

(下段左)ミュージシャン・ローナル

(下段中左)この日は抽選もあって、

CAPEDISは5名が大きな商品をいただきました!

障害者の日

10月15日は障がい者の日。

昨年同様、市からの招待を受けて活動に参加しました。

市のねらいは各団体、個人の交流。

最後には生活の助けになるもの(米や砂糖など)を支給して、

普段の苦労を労う意味合いもあるのでしょう。

この日参加団体は少数でしたが、

以前CAPEDISに通っていた子たちとも再会してホセやシエロも嬉しそうでした。

いつもと違ったのはローナルが自分の歌をみんなに披露したことです。

こんな集まりでは決して積極性をみせず、

むしろ

「参加しなければ周囲から反感をくらうので、

 仕様がないからその場所には来るが楽しむ努力はしない」

といった態度であったこれまでの彼。

今回は歌を売り込むチャンスと考えたのでしょう。

自分からプログラムの確認をしたりと積極的でした。

彼はパソコンを使って自分で曲をつくり、歌詞をつけています。

どんな歌詞なのか気になると思いますので、

最後の項目で私の拙訳で申し訳ありませんがご紹介します。


(上段左)前日の寿司づくり。

お~!美しいですねぇ!左から個人のボランティアの方、右2人はJICAの方

(上段中左)左からJICAでボリビアに来て結婚した方、右2人はJICAの方。

(上段中右)左から元JICA隊員で休暇で遊びに来た子。

中央は歯医者さんで2世さん。

いつもCAPEDISを助けてくれていて、

私にも別荘の一室を貸してくれている家主さん。

右は3世さんで、日本大好きの子。

(上段右)バザー当日、由紀子さんは会計係で、

日本への帰国一日前まで手伝ってくれました。

(下段左)「いらっしゃいませ~、お寿司いかがですか~」

の日本語に反応して次々とお客さんがやってきました。

16’00までに完売のはずが、12’00には完売しました。

ありがとうございましたぁ!

(下段中)たい焼きはボランティアさんが浴衣を付けて雰囲気を盛り上げる。

繁盛繁盛。

(下段右)昭子さんは全体の調整役。

いつものように忙しく動き回っておりました。

昭子さんの行くところ、すべて売れる的な感じでした。

何事もすごいのね。)

ボリビアでのCAPEDIS支援の日本人

10月はアニメ好きのひとたちのイベントがありました。

もともとこちらの日本人会がアニメを日本の文化のひとつと捉え、

それを窓口に着物や習字、折り紙などを紹介して日本の文化を知ってもらう、

かつ会の運用資金を集める狙いで話を受け、

そこに私たちも便乗して施設の運用資金稼ぎのために参加しました。

前日からボランティアのみなさんの協力を得てお寿司づくりをし、

当日はたい焼きとお寿司、

ジュースと折り紙製品の販売を手伝ってもらってしっかりと稼ぐことができました。

日本人のボランティアの人たちは同じ感覚で、

すべての作業を理解してくださるので助かりますし、仕事が早く、かつ正確。

ひとつのことが終われば次にすることを尋ねてきたりとほんとに頼りになります。

「日本人、すごい!」と思ってしまいました。

ちなみにボリビア人のボランティアの方もいて、彼らの良さは別にあるのです。

いずれにしてもありがたいことです。感謝、感謝。


(左)左から職員、エレナ(中央)、母親(右)。

お母さんがうれしそうに見守っていますね。

(右)ロサリア(左)とローナル(右)電動車いすでゆっくりと導いています。

彼女の口から垂れ続けるよだれに耐えながら・・・・笑)

訓練中(洗濯:エレナ 歩行:ロサリア)

先月からエレナは動く左手を使って、自分の洗濯物を洗うようになりました。

繰り返し洗濯するうちに慣れてきて、はじめは靴下などの小さいものだけでしたが、

今は上着やズボンも洗えるようになっています。

8月までは母親が週に1回やってきて、

彼女の衣服の一部を洗っていたのです(家族が本人を施設任せにしないため)が、

今は母親と一緒に洗濯できるようになりました。

これはそのまま彼女の家での生活につながっていくと思っています。

本人にとっても家族にとっても、治療やリハビリを終えた後の生活は、

想像すると大きな不安を抱えてしまうと思うのです。

でもこうやってリハビリをしながら、

少しの支えでこんなことができるとわかると、

ずいぶんと不安が減るのではないでしょうか。

それからロサリアの歩行訓練をローナルが助けています。見ているだけで和みます。

この先には歩くことはもちろん人を助けることにもつながります。

歩け、歩け、ロサリア!


久しぶり

マリア・ルースと話しているのは、

昭子さんとはCAPEDISを始める前からの付き合いで、

一時期はCAPEDISの調理員をしていた人です。

だからみんなのことをよく知っていて、節目節目で会いに来てくれます。

名前はフロレンシアさん。

マリア・ルースとも気の知れた仲。

懐かしい話や今のCAPEDISのことをいろいろと話したことでしょう。


(左)みんなでパン作り。男性と女性、馬、はしご、太陽、月と、

必ず形づくらなければならないものがあります。

死者の日準備

11月2日の死者の日に備えて、30日にみんなでパン作りをしました。

こちらの習慣は11月1日が聖人の日、11月2日が死者の日。

こちらの伝統と混ざって1日の正午に死者の霊魂が家に帰ってきて、

2日正午に天に帰っていくということで、

死者の霊魂を慰めるために本人が好きだった食べ物をテーブルに並べ、

天国にはやくたどり着くようにこの間にたくさんのお祈りがなされます。

たくさんのお祈りとは、家族や親せき、生前親しくした人たちだけにとどまらず、

近所のひとたちもお祈りに訪れます。

そして、お祈りを捧げたらお礼にパンやクッキー、

果物をおすそ分けに持たせるのです。

(これらのお礼目的でお祈り周りをしている人の方が多いように、

 私は感じておりますが…ま、いっか、です。)

それで、私たちも30日にパンやクッキーを作って、1日にテーブルを準備して、

2日の午後に片付けました。

(翌日まで残しては霊魂が天に帰れないと言われている)


ローナルの歌詞を送ります。

彼の了解済みです。

彼の心を覗くみたいで、気恥ずかしい思いがします。

ま、歌なのできれいなことばや韻を踏んでいるのでこんな表現になってしまったのでしょうね。

彼は今売り込んでいる時期なので、学校や役所のイベントに参加して歌を披露しています。

どんな風に展開するのかわかりませんが、どのような形であれものになればいいな、と思います。

+++

ローナルの詩

作詞 作曲:ローナル・ケンタ

1.

昨日、自分が経験したことを振り返りながらこの社会(自分を取り巻く環境)のことをふと考えた。

はじめに思い起こしたことは僕の体はこの先回復することはないから、

「かわいそうに、歩けないんだって…」

なんて言われてきたことだ。

僕が言うことをちゃんと聞いてくれ。

僕は絶対に自分をあきらめないし、この生を闘いぬいてみせる。

今から僕が言うことをちゃんと聞いてくれ。

この世界には目の見えない人、耳の聞こえない人、口がきけない人、車いすの人、自閉症の人…がいる。

彼らのことが、たとえあなたの目にはまるで違うもののように映ったとしても、

あなたと僕は大した違いはないんだよ。

 

※あなたの心で感じてほしい。

 同情なんてしないで ただ近づいてよく見てごらん。

 僕ははっきりと知っているよ。あなたと僕は同等だってことをね。

 

2.

ひみつを打ち明けてもいいかい?

今、ここで暴露するよ。

目の見えない人は体の目ではあなたを見ることはできない。

だけれど、心であなたの存在を感じることができるんだ。

耳が聞こえない人は体の耳ではあなたの声を聴くことはできない。

だけれど、あなたにある一つの生き方を示すことができるんだ。

車いすの人は数えきれないほど闘ってきたんだ。

もうわかったかい?

目を醒ますんだ!

あなたは錯乱しているわけじゃない。

僕を見たら、こんな風に思ってくれ。

「自分は何も知らないんだ」

とね。

あなたは俺の現実を何も知らないし、

あなたは僕がどれだけ信条をもって高みを目指しているかも知らない。

だって僕には信念があるんだ。

 

※繰り返し

 

3.

兄弟、聞いてくれよ。

僕が言ったこと全部、一度あなたが受け止めて、ほんとにそうなのか考えてほしいんだ。

今僕たち障害を抱えた人たちの現実であたりまえに起こっていること、

それはたくさんの人がまるで僕たちに感情がないみたいに扱うこと、

まるで僕たちには人としての権利がないみたいに扱うこと。

心をこめてあなたにお願いします。

僕たちの言うことに耳を傾けて、きちんと受け止めてほしい。

お金や物がほしいんじゃない。

ただあなたの考えそのままを話してほしいんだ。

(全く別な生き物ではなくて)まるで友人のように僕たちと関わってほしいんだ。

僕の心から生まれ出るこの歌を聴いてね。

 

※繰り返し